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火災2020.07.06

危険物施設の消火器設置基準について解説します

危険物施設では、多種多様な危険物を取り扱っています。油火災に特化した泡消火器、火災延焼を想定した大型消火器、金属火災向け放射器など、危険物の特性に合う消火器がラインナップされております。ここでは、消防法に基づいた適正な消火器の設置方法をご提案いたします。

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事業所の防火対策について

本記事では危険物施設に設置する消火器の設置基準について取り上げますが、防火対策を考える上では危険物に対する理解が必要不可欠です。前提となる知識は以下の別記事で解説していますので、ぜひご覧ください。

「火災リスクを極小化するために危険物を正しく知ろう【Vol.1危険物の基礎】」
「火災リスクを極小化するために危険物を正しく知ろう【Vol.2危険物火災の捉え方】」

消火設備の区分

消火設備には5つの区分があります。正しい設置をするためには、この区分を理解する必要があります。各々が特定の種類の火災に特化しています。本記事では特に消火器設置について解説しておりますので、第4種消火設備=大型消火器、第5種消火設備=小型消火器を理解しておきましょう。

第1種消火設備屋内・屋外消火栓設備
第2種消火設備スプリンクラー設備
第3種消火設備水蒸気消火設備
水噴霧消火設備
泡消火設備
不活性ガス消火設備
ハロゲン化物消火設備
粉末消火設備
第4種消火設備大型消火器
第5種消火設備小型消火設備・簡易消火用具

第1~3種消火設備の設置基準については、「危険物施設における消火設備の設置基準!!」にて詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

危険物施設における適切な消火器の選び方

消火器には強化液を放射する泡を放射するもの、二酸化炭素を放射するもの、消火粉末を放射するものなど、さまざまな種類があります。
下記適応表では、対象物の区分による適応な消火器を分類しています。

消火器の適応区分

危険物の指定数量

危険物には指定数量が定められており、貯蔵する危険物の倍数により消火器の能力単位・本数を算出します。
下記には、代表的な第四類の危険物の指定数量表を記載しています。

危険物の指定数量

消火器本数の算出方法

所要単位:建築物等に必要となる消火器の能力単位・本数を算定するための基準のことです。
下記表は所要単位の算出方法です。

能力単位消火器の、消火薬剤の種類や大きさに応じた消火性能を数値化したものです。

製造所等の用に供する部分以外の部分を有する建築物に設ける製造所等にあっては、当該製造所等の建築物の床面積の合計をいいます。

小型消火器の設置本数の算出方法例

※給油場所の上屋等(キャノピー)があり、その面積が(敷地面積-建屋面積)の1/3以上の場合は「屋内給油取扱所」と見なされ、第4種消火設備(大型消火器)の設置が必要になります。

※電気設備のある場所については、100㎡以下毎に1本が必要です。電気火災(C火災)に対応した消火器が、100㎡では1本、101㎡では2本必要になります。

※実際に消火器の本数を選定する場合は、危険物を取り扱うことから所轄の消防署・防災のプロ(消防設備士)に相談されることをおすすめします。

危険物施設別 消火設備・消火器の設置基準

第4種消火設備(大型消火器)の設置基準

建物の各部分から歩行距離が30m以下となるように設けなければいけません。
(第1~3種の消火設備と併用する場合は、この限りではありません。)
★大型消火器の能力単位はA-10以上またはB-20以上です。

第5種消火設備(小型消火器)の設置基準

地下タンク貯蔵所・簡易タンク貯蔵所・移動タンク貯蔵所・給油取扱所・
第1種販売取扱所または第2種販売取扱所については、有効に消火できる位置に設けます。
その他については、建物の各部分から歩行距離が20m以下となるように設けなければいけません。
(第1種~第4種の消火設備と併用する場合は、この限りではありません。)

 

消火設備設置の基本的な考え方

消火設備は建築物・工作物・危険物のすべてに有効となるように設置する必要があります。
下記は消火設備設置の基本的な考え方ですが、細かい条件や消火薬剤などは製造所等によって異なります。

対象区分消火設備
著しく消火困難な製造所等第1~3種のうちいずれか1つ + 第4種 + 第5種
消火困難な製造所等第4種(※1) + 第5種
その他の製造所等第5種

※1:メタノールまたはエタノールを取り扱う給油取扱所に第4種消火設備(大型消火器)を設置する場合、水溶性液体用泡消火薬剤を用いた消火器が望ましいとされています。

 

著しく消火困難な製造所等およびその消火設備 危険物規則第33条

第1~3種のうちいずれか1つに加えて第4種+第5種の設置が必要ですが、消火器設置にあたり注意すべき点を紹介します。

著しく消火困難な製造所(消火器)

 

消火困難な製造所等およびその消火設備 危険物規則第34条

第4種+第5種の設置が必要ですが、消火器設置にあたり消火困難な製造所等にて注意すべき点を紹介します。

消火困難な製造所等(消火器)

 

その他の製造所等 危険物規則第35条

第5種の設置が必要ですが、消火器設置にあたりその他の製造所等にて注意すべき点を紹介します。

その他の製造所等(消火器)

まとめ

危険物施設への消火器設置は、取り扱う危険物や施設の広さなど、さまざまな要素によって決まります。本記事では消火器本数の算定例を取り上げましたが、あくまで一例となっています。自社の施設に最適な消火器や本数、付加設置すべき設備をご提案することも可能です。また、消火器は設置するだけではなく、維持・管理・更新も非常に重要です。消火器設置に加え、火災対策でお困りごとがございましたら、ぜひ初田製作所へご相談ください。

現在初田製作所では「火災発生リスク簡易無料診断サービス」を行っています。見落としがちな火災リスクを把握し、適切な予防策を講じることができます。火災発生リスク簡易無料診断サービス」をご活用いただいたことで、最小限の被害に抑えられた例もございます。この機会に自社の火災対策を見直されてはいかがでしょうか。

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