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火災2021.02.22

“車両火災”について知っていますか?

    毎年発生している車両火災。その実態をご紹介すると共に、ぜひ皆さまの車両火災に対する安全意識の向上に役立てていただきたい。

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    “車両火災予防運動”の実施

    以前掲載した“秋の全国火災予防運動”に関するコラムの中でも少しだけ触れさせていただいたが、3月になると”春の全国火災予防運動”が実施される。(毎年3/1~3/7)そしてそれと並行し、”車両火災予防運動”という取り組みが実施されているのをご存知だろうか。

    車両火災予防運動とは消防庁と国土交通省の共同で実施され、車両・関係建物等の防火対象物に対して査察指導等を行うことにより、車両交通の関係者・利用者に対して火災予防の意識を高めてもらい、車両火災を減らすことが目的だ。

    ということで今回は、”車両火災”をテーマにしたコラムをお届けしたい。

    現状と原因

    まず始めに、”車両”という言葉の中には様々な種類の車が含まれており、例として以下のようなものがある。

    細かく挙げるとまだまだあるが、便宜上このあたりで留めさせていただきたい。ひとまず、車両と一口に言ってもこれだけのものが含まれているのだ。

    ではそんな車両からの火災を、どれだけの人が日常から想定しているだろうか。これは感覚的ではあるがそう多くないのでは、と考えている。というのも、普段から自動車に乗っていて自動車から火災が発生するなんてことは中々ないからだ。

    だがしかし、毎年この車両火災予防運動という取り組みが行われているということは、それだけ車両火災が発生してしまっている証でもある。では実際にどのくらいの火災事故が発生しているのか。

    総務省消防庁の発表によると、令和元年の車両に係る火災発生件数は3,585件。(前年は3、660件)これは1日に約10件のペースで発生していることになる。そう考えると見方が少し変わるだろうか。

    次にその発生原因であるが、こちらは実に様々である。自動車に関して言えば、”燃料漏れ”、”バッテリーや配線のショート”等が容易に思いつくだろうか。想定しづらい例としては、フロントウインドウにアクセサリーを吊るす透明の吸盤を貼り付けたりすると、凸レンズ効果により太陽光が集光され局所的に高温を生み出し、その先にあるシートが熱せられ発火に繋がることがある。水の入ったペットボトルなんかも集光作用があるため、車内に置く際は日が当たらない場所に置くようにしよう。もちろん、ライター等は言うまでもなく。また、スピードを出しやすい高速道路等での追突事故が車両火災に発展するケースもある。

    車両に対する消火器の設置義務

    火災発生時の初期消火となるとやはり消火器が有効だが、そもそも私たちが普段運転する自家用車には消火器の設置義務がない。その理由の一つとして考えられるのが、自動車から火災が発生した時点で基本的には”即時退避”するという点だ。自動車の場合、主にエンジン周りからの火災が想定されるが、延焼してガソリンに引火すれば大爆発の危険が伴うのは想像に難くない。とは言え、煙の出始めや小火くらいであれば迅速な消火活動を行い火災による被害を極小化させたいところだろう。(もちろん身の安全を最優先した上で)

    それでは一体、どんな”車両”に対して消火器の設置義務があるのだろうか。こちらに関しては道路運送車両の保安基準に規定がある。また、地域によっては条令によりその範囲が広がる場合もある。移動販売車(キッチンカー)等がその一例だ。保安基準の規定を分かりやすく記載すると以下のとおりとなる。

    車両用の消火器??

    では、車両に消火器を設置するとしてどんな消火器が最適なのか。据置型、いわゆる通常床や壁等に設置されている一般的な消火器を車両に設置することは好ましくない。なぜならば、車両に設置すると走行中の振動が消火器に伝わってしまい、消火薬剤が漏えいしてしまう可能性があるからだ。そのため、耐震試験をクリアしそのような振動に耐えることができる車両用消火器“とというものが相応しい。(弊社では自動車用消火器、鉄道車両用消火器の名称でラインアップ)車両用消火器を設置しなければならない、といった規定はないが、車両用消火器には消火器本体を固定するブラケットも備わっており、前述のとおり薬剤を漏えいさせないためにも車両用消火器を推奨している。

    また、車両によっては消火能力単位 が定められていたり、設置本数が決まっている場合もある。より詳しく細かいところまで知りたいという方はぜひお気軽にご相談いただきたい。

    ぜひ安心安全なカーライフを

    車両火災に限った話ではないが、まずは”火災を起こさない”ということが何よりも大切なのだ。ライターやたばこ、スプレー缶等の取り扱いに注意する、危険物を取り扱う際には定められたルールを遵守する、車両の点検やメンテナンスを日頃からしっかりと行う。こういった意識と行動によって火災発生のリスクは抑えられるのである。中には防ぎようのない火災事故があるのもまた事実ではあるが、防げるものは自分自身の手によって防いでいきたい。プライベート、もしくは仕事。いずれにせよ、車両と関わり合いながら生活を送っている方はぜひこの機会に見つめ直していただけると幸いである。

    関連リンク

    ◆国土交通省ホームページ(車両火災関連ページ)

    ◆JAFホームページ(車両火災関連ページ)

    ◆㈱初田製作所  自動車用消火器 製品ぺージ

    ◆㈱初田製作所   鉄道車両用消火器 製品ページ

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