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今年の『秋の全国火災予防運動』が11月9日~11月15日の間で実施される。
この機に住宅火災に関する記事をお届けしたい。
最初にこの『全国火災予防運動』とは一体何なのか。
毎回PR用のポスターに芸能人を起用する等の工夫を凝らしており、恐らく多くの方が一度は耳にしたり目にしたことがあることと思う。
この取り組みは消防庁により春と秋の年2回実施され、同名称としては1953年からと実に67年も前から始まっている取り組みなのだ。その目的は「火災予防思想の普及を図り火災の発生を防止すること」とある。特に一個人が何をどうこうしなければいけないということではなく、「火災に対する予防・対策の意識をしっかりと持ってね」という呼びかけだ。
ではこの火災に対する予防・対策の一環として、今回は冒頭のとおり『住宅火災』をテーマに掲げて述べさせていただき、皆さまの安心・安全な生活に少しでも寄与できれば幸いである。
まず、昨年に消防庁から発表された火災データを見ると、火災による総死者数は1,486人。その内、住宅火災で亡くなっている数は899人と、その約6割が住宅火災によって亡くなっていることが分かる。実はこれは昨年のみに限らず、毎年住宅火災による死亡割合が1位となっているのである。
さらに紐解いてみると、亡くなった899人の内の約7割にあたる662人が高齢者であった。このデータからも分かるとおり、住宅火災に対する取り組みを強化することで全体的な火災による死者数の減少に大きく繋がる。
とは言え、これまで国を始め各団体・企業が何も対策をしてこなかったということではない。例えばその代表的な取り組みとして、2006年6月から新築住宅は『住宅用火災警報器』の設置が義務化となっており、既存住宅に関しては2011年6月までに設置するように定められたのだ。その結果として、それ以前と比べ死者数の減少という確実な効果が表れている。(設置率は100%に届いてはいない)
しかし、前述のとおりまだまだ多くの方が毎年住宅火災によって亡くなっているのが実状なのである。
ではどうしたら更にその数を減少させることができるのだろうか。
ここからは個人的な見解が混ざるかもしれないが、その一つの対策として『住宅用消火器』の設置がその手助けをしてくれるのではないだろうかと考えている。
というのにも理由がある。
今でこそ一般住宅で義務化となっている住宅用火災警報器であるが、これはあくまで火災の発生を家にいる人に”知らせる“ためのものであり、その火災を”消火する”ためのものではない。
もし火災発生の初期段階であれば、住宅用消火器で消火することももちろん可能であり、いざというときに効果的に活用できればその被害を極小化できるはず。
ただ、住宅用消火器は現在法令的に設置義務がないこともあり、まだまだ一般住宅に普及しているとは言い難い。とは言え今後、住宅用火災警報器に続いて住宅用消火器の設置が義務になる可能性がないとは言い切れない側面もあり、そうなればもちろん普及率は上がることだろう。だがそれを待つのでなく、自発的に住宅火災という脅威と向き合い、実質的な対策と高い防災意識が求められ、高齢者の死亡割合を減らすためにもご家族からの提案や助言が重要なのだと思う。
住宅用消火器だけでなく、より小柄で安価な簡易的消火スプレー等、住宅向けに消火を目的とした製品は様々ある。天井に取り付けるだけの簡易的なスプリンクラーのような製品もあったりするが、値段もピンキリだ。
住宅用消火器も様々であるが多くのものが数千円で購入でき、仮に5000円だとして1年365日で割ると1日10円程度の計算になる。1日10円程度で生命、財産、毎日の安心・安全が守られると思うと、火災時のための1本として備えておいて決して損はないように思う。
私は普段買い物をする際にそのモノの本当の価値を見極めることをなるべく心掛けている。
「果たしてこれはこの金額を払うに見合っているだろうか」と問いかける。
値段が高いと感じても、そのモノや受けるサービスがその金額以上の価値をその後にもたらしてくれると判断できれば、買わない選択肢はないと個人的に思っている。いわゆる、投資的な考えなのかもしれない。
話を元に戻すが、当社の消火器を購入してほしいという気持ちはあるし、製品に関する自信だってある。キレイごとを言うつもりはさらさらなく、ただ事実を述べ、それをどう受け取るかは読者皆さま次第なのだと思っている。
『人命・財産・文化を火災から守る』という想いを初田製作所は100年以上前から持ち続け、それを実現する。その想いがいっぱいなだけなのだ。
そして最後にお伝えしたいこと。
それは、住宅火災は決して対岸の火事ではなく、”誰にでも、いつでも起こりうる”災害であるということ。たばこの残り火、コンロからの火、ストーブからの火、コンセントから発生するトラッキング火災等…原因は様々だ。
日頃からの“予防”と、万が一のときの”対策”を、ぜひ今一度見つめなおしていただけたら幸いだ。不幸の数を一つでもこの世から減らせたらと、切に願う。
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