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火災2024.05.27

工場火災が起こる原因とは?大規模火災を最小限に抑えるための対策についても解説!

近年、半導体工場などで大規模な火災が相次いで発生し、工場火災の被害が増加しています。工場関係者の方は、火災に対して危機感を抱いているのではないでしょうか。工場火災は産業活動にとって大きな損失やリスクをもたらす可能性があります。
当記事では、工場火災による被害内容や半導体工場での大規模な火災事例、おもな火災の原因を紹介し、実際に火災が発生したときの対応方法、被害を最小限に抑えるための具体的な対策について解説します。

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工場火災ではどのような被害が発生するのか

工場火災では具体的にどのような被害が発生するのか。まずはそれぞれの被害を理解し、適切な対策を講じることが重要です。

人的被害

工場火災の被害の中で、もっとも悲惨な結果のひとつが人的被害です。火災による直接的な危険はもちろん、煙の吸引やパニックによるけがも含まれます。特に多くの従業員がいる時間帯に火災が発生すると、混乱が生じやすく、さらなる人的被害を引き起こす原因にもなります。

建物損壊

工場火災が発生すると、建物自体の損壊が大きな問題となります。炎の接触や輻射熱(ふくしゃねつ)にともなう高温により、建物の構造材料が弱まり、最悪の場合建物が倒壊するおそれがあります。倒壊には至らなくとも、窓ガラスの破損や屋根材の焼損など、建物の外観にも影響があるため、修復には多くの費用と時間が必要となります。特に鉄骨構造の工場では、高温により鉄骨が変形しやすく、建物の安全性が著しく低下します。

事業停止

工場火災による事業停止は、重大な経済的損失をもたらします。火災により生産設備が損傷すると、修復までのあいだ製造活動が完全に停止することがあります。製造停止により製品の供給が遅れ、顧客満足度の低下や契約違反のリスクを高める可能性があります。

近隣への二次被害

工場火災が発生すると、その影響は工場内部のみにとどまらず、周辺地域にも及ぶことがあります。煙や有害物質が風に乗って広がることで、近隣住民の健康を脅かすことがあります。また、火災による熱や炎が隣接する建物に燃え移ることで、物理的な損害を引き起こすことも少なくありません。

半導体工場での大規模火災事例

近年発生した半導体工場での大規模火災事例として、高度な技術での製造中に発生した火災があげられます。この事例では、製造装置の過熱や化学薬品取り扱い中での火災により、莫大な損害が発生しました。半導体工場では高温作業が多く、細かな粒子が空気中にただようことで、火災のリスクが高まります。

この事例から学ぶべき点は、『安全管理の徹底がいかに重要か』ということです。火災発生の予防策として、安全設備の充実や従業員への定期的な安全教育の強化が求められます。

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工場火災が起こるおもな原因とは

工場火災が起こるおもな原因として、ここでは5つの原因を紹介していきます。

溶接の火花

溶接作業は、工場内でよく行われる作業のひとつですが、作業中に発生する火花が火災の原因となることがあります。特に、溶接箇所の近くに可燃物がある場合、火花が可燃物に接触することで火災が発生しやすくなります。

電気機器からの出火

電気機器からの出火は、工場火災の一般的な原因のひとつです。この火災は、おもに電気配線の不具合、機器の過負荷などによって発生します。特に古い設備や定期的なメンテナンスが行われていない機器では、配線が劣化してショートしやすくなり、火災のリスクが高まります。

静電気による着火

静電気による着火は、工場火災の一因として非常に危険です。特にプラスチックや化学繊維などの可燃性材料を扱う場所では、静電気が蓄積しやすく、その放電が火花となることがあります。引火性液体などの危険物を取りあつかう場合、より被害が拡大するおそれがあります。

漏電やトラッキングよる電線の火花

漏電やトラッキングによる電線の火花は、工場火災の一般的な原因の一つです。電線や電気設備の経年劣化、不適切な配線、保護装置の不具合などが漏電を引き起こし、火花が生じることがあります。特に湿度が高い環境や、電線が露出している場所では、漏電やトラッキングのリスクが高まります。

可燃性ガス

可燃性ガスが原因の火災は、工場内での火災発生の一因として特に注意が必要です。可燃性ガスは、天然ガスやプロパンガス、アセチレンなどがあります。可燃性ガスを取りあつかう工場は多く存在しますが、これらのガスが漏れると空気と混合し、引火しやすい状態になり非常に危険です。

工場火災発生時の対応方法

工場火災が発生したときの対応方法は、迅速かつ効果的な行動が求められます。混乱を最小限に抑えるために、事前に把握しておくとよいでしょう。

消防への通報

工場火災が発生した際には、消防への通報が重要です。火災の初期段階での通報は、火の拡大を防ぎ、人的・財産損害を最小限に抑えるための第一歩となります。工場内には通報システムを設置しておくことが望ましく、火災発生時には、システムによりすぐに消防署に連絡を取るべきです。もしくは、通報訓練の実施やマニュアル作成によって、従業員がただちに通報できる体制を作っておくことが必要です。

周辺への共有

次に、周囲への情報共有も欠かせません。周辺の施設や住宅地への情報伝達は、二次災害の防止や迅速な避難支援につながります。あらかじめ、地域コミュニティや近隣企業との連携体制を整えておくことが求められます。

火災拡大の場合は避難

火災が発生した際には、迅速な避難がもっとも重要です。特に工場のような大きな施設では、火の広がりが早く、一瞬で手に負えない状況になることがあります。そのため、事前に避難経路を確認し、避難訓練を定期的に行うことが不可欠です。火災発生時には落ち着いて、もっとも近い非常口や安全な避難経路より建物外へ避難してください。

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被害を最小規模に抑えるための対策とは

消防設備の設置

消防設備の設置は、工場火災を未然に防ぐために不可欠です。自動火災報知設備やスプリンクラー設備などにより火災を認識し、消火器などによる初期消火を行うことで、大規模な被害拡大を防ぐ役割を果たします。
自動火災報知設備は煙や熱を感知し、すみやかに作業員や管理者に警告することで、初期の対応を可能にします。スプリンクラー設備は、火災発生を感知した際に自動で水を噴射し、火の勢いを抑えることができます。

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消防設備などのメンテナンス対応

消防設備のメンテナンスは、工場火災を防ぐために非常に重要です。消防設備が正しく機能しない場合、たとえ小さな火花でも、大規模な火災へと発展する可能性があります。定期的な点検では、自動火災報知設備、スプリンクラー設備、消火器などが適切に作動するかどうかを確認します。また、消防ホースや非常口の確認も欠かせません。

メンテナンス作業には、専門の技術者が必要です。消防設備のメンテナンスについては、ぜひ初田製作所へご相談ください。

コンセント等の清掃

工場内での火災予防策として、コンセントや電気配線の清掃も重要となります。ほこりやゴミがコンセント付近に溜まることで、トラッキング火災のリスクが高まります。特に、工場では機械を長時間稼働させることが多いため、コンセントや配線の熱が高くなりがちです。定期的な清掃を行うことで、これらのリスクを大幅に減少させることが可能です。

安全教育・避難訓練の実施

安全教育と避難訓練の実施は、工場火災のリスクを管理し、万一の事態に備えるために不可欠です。従業員への定期的な安全教育を行うことで、火災発生時の正しい対応方法を身につけさせることができます。また、実際の火災を想定した避難訓練を行うことで、避難経路の確認や避難時の行動パターンを徹底することが可能です。

BCP対策

BCP(事業継続計画)対策は、工場火災などの緊急事態が発生したときでも、事業活動を続けるために重要な取り組みです。リスク評価とビジネス影響分析を行うことで、どの業務がもっとも重要であるかを特定し、それらを優先的に保護する計画を立てます。ほかにも緊急時の代替手段の確保、従業員への連絡手順、重要情報のバックアップといった対策が含まれます。火災発生時には、この計画に基づき行動することで、事業の中断を最小限に抑えることが可能です。

火災対策については、「半導体工場の火災リスク~早期検知の重要性とその方法~」の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

半導体工場の火災リスク~早期検知の重要性とその方法~

初田製作所が提案する「火災発生リスク簡易無料診断サービス」とは

初田製作所が提案する「火災発生リスク簡易無料診断サービス」は、工場や事業所の火災リスクをあらかじめ洗い出し、適切な対策へとつなげるためのサービスです。この無料診断では、専門の技術者が現地で火災リスクの評価を行います。評価項目には、電気設備の状態、可燃物の保管方法、防火設備の整備状況などがあります。診断結果に基づき、具体的な改善提案や火災予防のための最適なソリューションを提供します。

「火災発生リスク簡易無料診断サービス」について、詳しくはこちらをご覧ください。

まとめ

工場火災は、産業活動にとって重大なリスクとなります。これらのリスクを少しでも軽減するためには、防火設備や消防設備の設置、定期的なメンテナンス、清掃、安全教育と避難訓練の実施が不可欠です。また、初田製作所が提供する火災発生リスク簡易無料診断サービスを利用することで、工場火災への具体的な対策につなげることが可能です。工場火災の対策方法などでお悩みの方は、ぜひ防災のプロへご相談ください。

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