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化学製品や医薬品を製造している会社の研究所や分析エリアに数多く設置されているドラフトチャンバー、実は火災発生リスクが潜在していることはご存じだろうか?新たな製品や物質を創造するには、今までにない生産プロセスや化学反応が必須になってくるが、その反面には予想もしていなかったリスクも潜んでいることになる。今回はドラフトチャンバーの最適な火災対策としてどのような消火システムを設置すべきかについて考えていきたい。
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ドラフトチャンバーとは、化学実験など有害な気体が発生するときや、揮発性の有害物質の取り扱いを行うとき、もしくは有害な微生物を取り扱うときに外部に有害物が漏出しないよう、安全のために用いられる局所排気装置の一種である。前述の業務に従事している担当者は、ドラフトチャンバーの中に有害物を置き、ドラフトチャンバーの前面扉の外から手を伸ばして各種操作を行うこととなる。一般的に大型の箱型の形状のものが多く、ドラフト内部には水道やガス配管などが設置されており、それらを活用しつつ器具を組み立てて実験をおこなうこととなる。内容にもよりけりだが、有害物を数百℃にも加熱するような実験や、長時間かけて化学反応を行う目的から一晩中ドラフト内で有害物を置いたままにするような実験、物質そのものは安定していても複数の種類を混合することで急激な熱を発生するような実験も少なくはない。併せて、ドラフトチャンバーは有害な気体を排気する機能を有していることから排気ダクトが連結していることも重要である。比較的外気(窓)に近いドラフトチャンバーであれば短い排気ダクトにより大気開放の排気方法が取れるが、建物中央部など外気から遠いドラフトチャンバーについては排気ダクトも長くなることから有害な気体が運ばれる距離も長くなりダクト内部の汚損も蓄積するものと考えてよい。このような特徴を持つドラフトチャンバーには一体どのような火災発生リスクが潜在しているのだろうか?まずは実際の火災事例からチェックしていきたい。
代表的なドラフトチャンバーの火災事例として、下記の2つの事例を紹介したい。
分析室の中に設置してあるドラフトチャンバーにて有害物質を分析中、ホットプレート部から火災が発生しドラフトチャンバーの機械部分が焼損した。出火原因はホットプレートの電気コードの経年劣化による配線ショートと推定される。
ドラフトチャンバー内に組み込まれたヒーター設備より火災が発生し、ドラフトチャンバーの機械部分が焼損した。出火原因はヒーター設備の異常過熱が発生したことと推定されており、事故当時の温度上昇は通常設定をはるかに超えるものであった。
それでは、ドラフトチャンバーにおける火災対策とはどうあるべきかについて考えていきたい。前述の通り、ドラフトチャンバー内部には有害物質(特に可燃性のあるもの)、熱源、電気機器など、火災に繋がるリスク要因が集中していると言ってよい。さらに、ドラフトチャンバーの周辺の机には化学薬品の試薬瓶が多く置かれていることも想定すると、ドラフトチャンバー内部で発生した火災は、ドラフトチャンバー内部で留めて「早期検知+初期消火」がなされることが望ましいと言えるのではないだろうか。一方で、ドラフトチャンバーに対して「火災対策を講じること」といった法令はなく、基本は周辺に設置されている消火器を使用することとなる。世の中に最も普及しているABC粉末消火器に使用されている粉末消火薬剤は、消火能力と市場における流通性の高さから法定設置に選ばれることが多い。しかしながら、ドラフトチャンバー自体も高額である点を鑑みると、万が一誤放射が発生したとしても、ドラフトチャンバーの損害を最小限に留め、機械の早期復旧を見据えた最適な火災対策が必須となると考えて頂けるのではないだろうか。
以上を踏まえ、当社が考えるドラフトチャンバーへの最適な消火システムをご紹介したい。
https://hatsuta.co.jp/manufacture/
「標準仕様書」「取扱説明書」などはこちらよりご覧頂けます。
以上の通り、ドラフトチャンバーの最適な火災対策を述べてきたわけだが、まずは、「ドラフトチャンバーには火災発生リスクがある」という事実を知ることが最も重要であり、対策の第一歩となり得ると考える。ぜひとも、一歩進んだ火災対策として、「ドラフトチャンバー向け自動消火システム」の導入をご検討頂きたい。
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