防災設備のお問い合わせはこちら
日々ニュースや新聞で目にする住宅火災や工場火災とは別に、建物火災のカテゴリの中には神社・寺院・重要文化財といったものも含まれている。2019年に国内外で発生した3件の痛ましい重要文化財の火災(4月フランス:ノートルダム寺院/10月沖縄:首里城/11月岐阜:白川郷)は皆さんの記憶に新しいかと思われる。荘厳で風光明媚な寺社仏閣・文化財も、ひとたび火災被害に遭うともなれば、一瞬にしてその原型を留めない姿へと変貌してしまう。今回は寺社仏閣・文化財を火災から守るためにはどうしていくべきかについて考えていきたい。
目次
工場等に関する火災リスク診断については以下の記事をご覧ください。
▶工場火災を未然に防ぐ火災発生リスク無料診断サービスのおすすめ
早速だが、毎年1月26日に制定されている「文化財防火デー」というものがあることを皆さんはご存じだろうか。文化財防火デーとは、昭和24年1月26日に、現存する世界最古の木造建築物である法隆寺(奈良県斑鳩町)の金堂が火災被害に遭い、壁画が焼損したことをきっかけに制定がなされている。第1回文化財防火デーは昭和30年までさかのぼるが、以来毎年1月26日を中心に文化庁、消防庁、都道府県、市区町村教育委員会、消防署、文化財所有者、地域住民が連携・協力して、全国で文化財防火運動を展開している。火災だけでなく、震災も想定し、「文化財保護」を合言葉に、積極的な予防活動を実施しているので、一度お住いの地域の訓練に参加してみてはいかがだろうか。
総務省消防庁による「消防統計」によると、寺社仏閣・文化財における火災発生状況は以下の通りとなっている。
神社・寺院等 | 令和元年度 | 平成30年度 | 平成29年度 |
火災件数 *以下内訳 | 61件 | 67件 | 86件 |
*放火件数(比率) | 11件(18.0%) | 19件(28.4%) | 18件(20.9%) |
*非放火件数(比率) | 50件(82.0%) | 48件(71.6%) | 68件(79.1%) |
さて、上表における「非放火件数」に注目してもらいたいが、寺社仏閣・文化財において放火または放火の疑いが原因ではない火災件数は全体のおよそ70~80%を占めていることがわかる。世間一般では放火が多いイメージの寺社仏閣・文化財だが、火災対策を検討していく上で、放火対策も重要であるが、同時に建物内部における火災対策にも視点を向けるべきではないだろうか。その前に、まず基本的な防災設備について確認をしていきたい。
事務所には消火器を置かれていること、規模の大きな商業施設にはスプリンクラー設備が設置されていることと同様に、寺社仏閣・文化財における消防法上の火災対策基準はどのようなものがあるか紹介したい。
該当消火設備:消火器、屋内消火栓設備、屋外消火栓設備
該当消火設備:消火器、屋外消火栓設備
【引用元】 消防法施行令「防火対象物」別表第一
上記からわかることとして、消防法で義務化されている消火設備は概ね消火器および各種消火栓設備のみである。火災が発生した際に、しばしばスプリンクラー設備の設置有無について言及されることがあるが、寺社仏閣・文化財においては法令上の設置義務がないことがわかる。
つぎに、消火設備が実際にどのような状況(屋内or屋外)で設置されているかに関する文化庁のアンケート結果を紹介したい。
【引用元】文化庁/国宝・重要文化財の防災設備等の緊急状況調査結果(アンケート調査結果)について
上記からわかることとして、世界遺産で90%、国宝で98%、重要文化財全体で78%が屋外に消火設備が整備されている一方、屋内の消火設備については、世界遺産で10%、国宝で26%、重要文化財全体で17%にとどまっている。建物内部での利用実態に伴う火災リスクを踏まえて、屋内での火災に迅速に対応できる消火設備の整備が望まれる。寺社仏閣・文化財固有の火災発生リスクを断定することで、最適な防災対策へナビゲートすることができるものと考える。それでは、具体的に建物内部への火災リスクを評価していくにはどうすればよいだろうか。
サービス名
寺社仏閣・文化財向け火災発生リスク簡易無料診断サービス(通称:HTCサービス)
概要
①プロの診断員による巡回診断【所要時間:2~3時間/提案の引き出し:約250項目】
②見える化した診断レポートの提出【所要期間:1~2週間】
③ボヤで済ますための改善提案【防災マスタープラン:約40種類】
弊社の診断サービスは、文化庁の発出する「国宝・重要文化財(建造物)の防火対策ガイドライン」の内容に加え、累計1,200件を超える工場火災リスク診断のノウハウを融合したものとなっている。寺社仏閣・文化財に特有の診断項目も多くあるが、火災リスクの高い業界の目線を含めることでより質の高い診断結果をご提供できるものと考える。
【引用元】 文化庁/「国宝・重要文化財(建造物)の防火対策ガイドライン」及び「国宝・重要文化財(美術工芸品)を保管する博物館等の防火対策ガイドライン」について
火災リスク診断(自主)と消防用設備点検(法令)の違いについて以下の表にまとめる。
火災リスク診断 | 消防用設備点検 |
◎環境+状況+過去事例から火災発生リスクを特定 ◎千差万別のお客様固有の火災リスクに着目 ◎予防処置的発想 | ◎既存消防設備が正常に作動するかを点検 ◎建物に付随する消防設備の点検結果のみ ◎是正処置的発想 |
上表からもわかるように火災リスク診断と消防用設備点検では、明確な目的の違いがあることがわかる。実際に消防用設備点検を確実に実施した企業様であっても、火災リスク診断によりリスク箇所は別に抽出される傾向が非常に高い。場所を問わず、火災を極小化する目的に変わりはないので、寺社仏閣・文化財の関係者の皆様にて火災対策もしくは防災全般の対策にお困りの方は、ぜひ一度防災のプロまでご相談いただき、ぜひとも一歩進んだ対策として「火災発生リスク簡易無料診断サービス」をお試しいただきたいと思う。
『診断を実施していただいたことで火災リスクを具体的に知ることができただけでなく、消防法上の義務設置以外に必要な消火設備が何かを勉強できた。』
『定例で実施している消防用設備点検の遂行だけではなく、文化財保護の観点から火災を未然に防ぐという考え方を持つことができた』
CONTACT身の回りの防災対策
防災のプロに
任せてみませんか?
ボーサイナビットでは、あらゆる場所のリスクに対して当社の持つノウハウから
ベストな解決策をご提案します。ぜひともお気軽にご相談ください。