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火災2024.06.21

消防計画とは?必要な手続き、消防計画で定めるべき内容や作成手順について詳しく解説!

消防計画は、建物や施設における火災や災害の発生を防止し、被害を最小限に抑えるための計画書です。当記事では、防火管理者・防災管理者に向けて、消防計画の概要や目的、必要な手続き、作成手順、消防計画で定めるべき内容などについて詳しく解説していきます。万一に備えて、安全な環境を維持するために必要な計画なのでしっかりと把握しておきましょう。

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消防計画とは

消防計画とは、建物や施設における火災や災害の発生を防止し、被害を最小限に抑えるための計画書です。消防法に基づき、防火対象物の所有者や管理者は、防火管理者や防災管理者を選任し、彼らの指示のもとで消防計画を作成します。この計画には、防火・防災管理業務の具体的な内容が含まれ、各防火対象物の特性や危険要因に応じた対策が求められます。消防計画は、ソフト面での予防体制の基本方針として位置付けられ、ハード面の安全対策とともに総合的な防火・防災対策を実現するための重要な役割を果たします。

消防計画を作成する目的とは

消防計画の目的は、火災や災害時に迅速かつ適切な対応を行い、被害を最小限に抑えることです。具体的には、火災の発生を未然に防ぎ、万が一発生した場合の対応策を整備し、従業員や利用者の安全を確保することが挙げられます。これには防火対策、避難経路の確保、消火設備の設置、避難訓練、教育などが含まれます。

対象となる災害とは

対象となる災害とは、防火管理業務及び防災管理業務の対象となる災害を指します。具体的には、火災、地震、毒性物質の発散による災害などが含まれます。消防法第8条では、火災の予防及びその被害の軽減のために消防計画を定めることが義務付けられており、これに基づいて防火管理上必要な業務を実施することが求められています。

消防計画の適用範囲とは

消防計画の適用範囲は、建物や施設の種類や規模、用途によって異なります。一般的には、商業施設、オフィスビル、学校、病院、工場、集合住宅など、多くの人が利用する場所や火災のリスクが高い場所が対象となります。一定の規模以上の建物で、その用途と収容人員により、防火管理者の選任が必要になります。防火管理者の責務のひとつとして、消防計画の作成・届出があります。そのため、防火管理者の選任が必要な建物には、消防計画が必要となります。これらの施設では、火災や災害が発生した際に迅速かつ適切な対応が求められるため、消防計画の策定が義務付けられています。

消防計画に必要な手続きについて

消防計画に必要な手続きは何があるのか事前に確認しておきましょう。

使用開始前の届出

防火・防災管理者は、管理権原者の指示を受けて、防火対象物の使用開始前に消防計画を作成し、その計画を所轄消防長または消防署長に届け出る義務があります。この届出により、消防機関は建物や施設の防火対策が適切に整備されているかを確認し、必要に応じて指導や助言を行います。

また、使用開始後においても、防火・防災管理者の選任(解任)や消防計画の変更があった場合には、同様に届出が必要です。これにより、常に最新の情報が消防機関に提供され、適切な防火対策が維持されることとなります。

使用開始後の点検報告

多人数を収容する一定の用途や構造を持つ防火対象物の管理権原者は、火災の予防及びその被害の軽減に関する専門的な知識を有する者(防火対象物点検資格者)に、防火管理上必要な業務や消防用設備等の設置状況について定期点検を実施し、その結果を消防長または消防署長に報告する義務があります。
また、防災管理制度が義務付けられている防火対象物の管理権原者に対しても、災害による被害の軽減に関する専門的な知識を有する者(防災管理点検資格者)に、防災管理上必要な業務について定期点検を実施し、その結果を消防長または消防署長に報告する義務があります。

これらの点検は年に1回行う必要があり、管理権原者による防火対象物の管理業務が消防法令に適合していることを確保します。点検結果が基準に適合している場合には、点検表示を行い、防火対象物の利用者に基準適合性に関する情報を提供します。
さらに、一定期間(3年間)以上継続して消防法令の基準に適合している防火対象物については、定期点検報告義務が3年間免除される認定を受けることができ、その認定表示を行うことも可能です。

消防設備点検については「消防設備点検とは?点検が必要な建物や点検の種類、流れについて解説!」の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

消防設備点検とは?点検が必要な建物や点検の種類、流れについて解説!

消防機関の役割

消防機関の役割は、防火・防災管理者の選任や解任の届出を受理し、消防計画の作成に対して指導助言を行うことです。具体的には、統括防火・防災管理者の選任や解任の届出、全体についての消防計画の届出を受け付け、その内容を確認します。また、防火対象物点検報告制度及び防災管理点検報告制度に基づく点検結果の報告を受け取り、防火・防災管理業務の実施状況を把握し、必要な指導を行います。

さらに、火災予防上必要がある場合には、立入検査や資料提出命令を行い、その状況を確認することができます。これにより、防火・防災管理業務が法令や届出を受けた消防計画に適合していない場合には、措置命令等を行うことが可能です。

消防計画で定めるべき内容とは

消防計画で定めるべき内容ついて解説していきます。

防火・防災管理業務について定める

防火・防災管理業務について定めることは、消防計画の中でも特に重要な内容になります。火災や大規模地震などの災害を予防し、被害を軽減するために必要な対策を具体的に計画することが求められます。これには、防火対象物の位置、構造、設備の状況、そしてその使用状況に応じた安全性の確保が含まれます。社会通念上要求される安全性を一定のレベルで維持し、人命の確保や二次災害の防止を図ることが目標です。

また、市町村条例などにより地域特性に応じた防火・防災管理業務の実施が求められる場合には、それを満足するように計画を作成することが必要です。例えば、超高層建物の場合、在館者が屋外まで避難するのに時間を要するため、避難訓練の内容を具体的に定めることが重要です。この場合、放送設備を活用した順次避難訓練やシナリオ非提示型図上訓練などの導入を考慮することが望ましいです。

消防計画の作成単位を定める

消防計画は、管理権原の及ぶ範囲に基づいて作成する必要があります。管理権原者が複数存在する防火対象物の場合、個々の管理権原者単位で防火・防災管理者を選任し、それぞれが消防計画を作成しなければなりません。また、統括防火・防災管理者の選任義務がある場合には、協議の上で統括防火・防災管理者を定め、全体の消防計画を作成することが求められます。

同一敷地内に複数の防火対象物が存在し、管理権原が同一の者である場合、これらは一つの防火対象物とみなされ、敷地単位で消防計画を作成します。特に大規模・高層の防火対象物においては、関係する全ての防火対象物について防火・防災管理上必要な業務が適切に行われるよう、管理権原の範囲や役割分担を明確にし、共通の認識に基づいて個々の消防計画及び全体の消防計画を作成することが重要です。

さらに、自衛消防組織については、設置対象となる用途部分の管理権原者が設置義務を負います。管理権原者が複数いる場合は共同で自衛消防組織を設置し、火災などの災害発生時に効果的な初期消火や避難誘導を行うための体制を構築します。このため、具体的な活動要領や指揮命令体系を消防計画に明記しておくことが必要です。

時間的な対応範囲を定める

消防計画に基づく防火・防災管理業務は、平常時の予防的措置と災害時の応急的措置に大別されます。これらの措置は、人命安全の確保や二次災害の防止を目的として行われます。

災害発生時の応急対策を実施する時間的範囲としては、災害発生時点から、それによる生命・身体・財産の被害の軽減のために行う活動を実施し、それが全て終了する時点までが含まれます。具体的には、災害が発生した瞬間から、被害が拡大するおそれがなくなるまでの間に行われる一連の対応が該当します。

この時間的な対応範囲を明確にすることで、災害発生時に迅速かつ適切な対応が可能となります。例えば、初期消火活動、避難誘導、応急手当などの具体的な行動を計画に盛り込むことで、各担当者が自分の役割を理解し、迅速に行動できるようになります。
また、時間的な対応範囲を定める際には、定期的な訓練やシミュレーションを行うことが重要です。これにより、実際の災害時においても計画通りに対応できるようになります。訓練を通じて、計画の不備や改善点を見つけ出し、常に最新の状況に対応した計画を維持することが求められます。

消防計画の主な作成手順

消防計画はどのように作成していけば良いのか、ここからは具体的な作成手順を紹介していきます。

防火対象物の調査・分析を行う

消防計画の作成において最初に行うべきことは、防火対象物の調査・分析です。防火対象物の調査・分析では、建物や施設の利用形態、建物形態、設備等の状況を詳細に把握し、その特徴を分析します。これにより、火災や災害時におけるリスクを正確に評価し、適切な対策を講じるための基礎情報を得ることができます。

被害の想定を行う

災害対策を効果的にするためには、被害を事前に想定することが重要です。建物の損壊、建築設備(電気、給排水、空調)の被害、避難施設や経路の損壊、消防設備の機能確認、建物内の物品の損壊、そしてライフライン(電気、ガス、水道)の影響です。これらを総合的に評価し、適切な対策を講じることで災害時のリスクを最小限に抑えられます。特に大規模地震対策には専門知識と詳細なガイドラインが必要であり、建物や避難施設の強度確保が計画の前提となります。

防火・防災安全上の目標設定を行う

消防計画において、防火対象物の防火・防災安全目標を設定することは重要です。基本目標は、利用者の人命・身体安全の確保と二次災害の防止です。これを達成するために、具体的な指標(避難完了時間や被害範囲の局限化など)を設定し、建物の構造や利用者の特性、周辺環境を考慮して適宜見直します。特に高齢者や障害者が多い施設では特別な配慮が必要です。これにより実効性のある消防計画が策定できます。

対応行動を具体化させる

目標達成のためには、具体的な対応行動を計画に組み込むことが重要です。これには、火災や災害発生時の迅速な通報体制の整備、初期対応体制の確立、避難誘導体制の構築が含まれます。具体的には、通報手順や設備の整備、訓練の実施、消火器や消火栓の配置、初期消火訓練、人員配置と役割分担の明確化、避難経路の確保と避難訓練の実施、施設によっては高齢者や障害者への配慮が必要です。また、地震対策として建物の耐震補強や避難場所の確保も計画に含めます。

PDCAサイクルを行う

消防計画の実効性を高めるには、PDCAサイクルを採用する必要があります。PDCAサイクルは、計画、実行、評価、改善の4つの段階を繰り返すことで、持続的な改善を促進する手法です。計画段階では、被害想定や対応策を詳細に策定し、実行段階では訓練や設備整備を行います。評価段階では実施結果を検証し、改善点を洗い出します。最後に改善段階では、評価結果に基づき計画を修正し、再度実行します。PDCAサイクルにより、消防計画は実際に役立つ生きた計画となり、常に最適な対応ができる体制を整えることが重要です。

消防計画作成における注意点とは

消防計画を作成する際には、いくつかの重要なポイントがあります。まず、計画は現実的かつ実行可能である必要があります。建物の構造や利用者の動線を考慮した避難経路や避難場所の設定が必要です。次に、関係者全員が計画を理解し、協力できる体制を整えることが重要です。定期的な訓練や教育が欠かせません。また、法令や規制に適合することも不可欠で、消防法や建築基準法などの関連法令に基づいて作成される必要があります。さらに、計画の更新と見直しを定期的に行い、変化に対応することが重要です。最後に、外部の専門家の意見を取り入れることも有効です。これらの注意点を踏まえて消防計画を作成することで、より安全で効果的な防火・防災対策を実現することができます。

まとめ

消防計画は建物や施設における火災や災害の発生を防止し、被害を最小限に抑えるための計画書類です。その目的や重要性を理解し、災害や適用範囲を明確にすることが基本です。必要な手続きを確実に行い、消防機関との連携を図ることも重要です。計画では防火・防災管理業務や時間的な対応範囲を具体的に設定し、実効性を高めます。作成手順としては調査・分析からPDCAサイクルの実施までを含みます。法令遵守や現場の実情に即した計画の立案、関係者の協力、継続的な見直しと改善も必要です。組織全体の防火・防災能力を高め、安全な環境を維持するために、効果的な消防計画の策定と実行が不可欠です。この記事を参考に、効果的な消防計画を策定し、万一の事態に備えましょう。

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