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消防設備点検は、火災発生時の被害を抑えるために重要で、消防法により防火対象物の関係者に義務付けられています。そのため防火対象物の関係者は定期的に点検を行い、その結果を管轄する消防署または出張所に報告しなければなりません。
当記事では、消防設備点検とはなにか、対象となる建物、点検の種類、報告周期、そして点検から報告までの流れについて詳しく解説します。
目次
消防設備点検では、建物内の消防設備が正しく機能するかどうかを確認し、必要に応じて修理や調整を行います。この点検は、火災から人命と財産を守るために不可欠であり、法律によって定められた周期で実施されます。また、消防設備点検は消防法第17条で定められている法定点検制度であり、定期的な点検を行い、点検結果を消防署または出張所へ報告しなければなりません。
点検の対象となる設備は、消火器、自動火災報知設備、避難設備などさまざまで、これらが常に最適な状態で機能することを保証するため、専門の技術者が詳細なチェックを行います。
防火対象物点検と消防用設備点検は、どちらも安全を確保するために重要ですが、対象とする範囲や内容に違いがあります。防火対象物点検は、建物全体の防火安全性を確認するためのもので、消防法に基づいて建物の防火管理が正常・円滑に行われているか、防火基準を満たしているかなど、主にソフト面の点検を行います。
防火対象物点検が義務付けられている防火対象物は、収容人員が300人以上の特定防火対象物(百貨店、遊技場、映画館、病院、福祉施設等)や、収容人員が30人以上で特定用途が地階又は3階以上にあるものや、階段が一つのもの(小規模雑居ビル等)などとなります。これに対して、消防用設備点検は、消火器や自動火災報知設備など、特定の消防設備の点検制度となります。この点検もまた法的に義務付けられており、設備が常に正常に機能することを保証するために不可欠です。
消防設備点検の結果を報告しない場合、法的な罰則が科されることがあります。これは、建物の安全を確保し、万一の火災から人命を守るための重要な措置です。点検結果を報告しなかった場合、消防法第44条第11号により、違反者には30万以下の罰金や、場合によっては刑事罰が課されることがあります。このような罰則は、点検の適切な実施と結果の報告を促すために設けられており、建物の所有者や管理者はこれを厳守する必要があります。
消防法や火災予防条例に基づき消火器、自動火災報知設備やスプリンクラー設備といった消防設備が設置されている建物において、消防設備点検が必要です。そして以下の建物については、消防設備士や消防設備点検資格者による点検が必要となっています。
延べ面積1,000㎡以上の特定防火対象物は、消防設備点検の対象になります。特定防火対象物とは、不特定多数の人が出入りする劇場、映画館、ナイトクラブ、飲食店、旅館、ホテル、病院、老人ホームなどのことを指します。これらの建物は、多くの人が利用する公共の場や大規模な商業施設など、火災発生時のリスクが高いため、有資格者点検が法律で義務付けられています。点検では、火災警報器やスプリンクラーなどの消防設備が適切に機能するかどうかを確認します。
延べ面積1,000㎡以上の非特定防火対象物で、消防長または消防署長が指定する建物も、有資格者による点検が義務付けられています。非特定防火対象物とは工場、事務所、倉庫、共同住宅、学校などの施設を指します。これらの建物は、用途や構造が一般的な建物と異なる場合が多く特別な注意を要するため、消防長や消防署長によって指定されることがあります。
特定一階段等防火対象物とは、屋内階段が1つしかなく、1階・2階以外の階に「特定用途部分」がある建物のことを指し、特に火災発生時の危険性が高いとされる建物です。特定一階段等防火対象物に分類される建物は、火災発生時の避難の困難さや、火災が拡大しやすい構造を持つため、消防法により厳格な防火対策と有資格者による点検が義務づけられています。
これら以外の建物については、消防設備士や点検資格者以外の人であっても点検できるという法令にはなっています。しかし、専門的な技術・器具が必要な場合や点検時の安全面などを考慮して、各消防機関では有資格者による点検を推奨しています。
消防設備点検には主に「機器点検」と「総合点検」の二つの種類があります。
機器点検は、半年に1回、消防用設備が正常に機能するかどうかを確認するために行います。
点検内容としては、これらの機器が適切に設置されているか、機能障害がないかといった項目を、主に外観目視点検と簡易操作を行うことによって確認します。例えば消火器の場合は、圧力が正常範囲内にあるか、設計標準使用期限を超えていないかをチェックします。自動火災報知設備については、感知器が正確に反応するかをテストし、必要に応じて感度調整を行います。
総合点検は、1年に1回、消防設備の機能を総合的に評価するための重要な点検です。
この点検では、消火器、自動火災報知設備、スプリンクラー設備など、建物内のすべての消防設備が対象となります。点検は専門の技術者によって行われ、設備が法令や規格に適合しているか、適切に機能しているかを確認します。不具合が見つかった場合には、その場で修理を行うか、大規模な修繕が必要な場合は報告書に記載し、後日対応を行います。
消防設備機器の更新時期について「消防設備機器の更新目安とは?機器の更新時期を紹介!」の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
消防設備点検の報告周期は、点検される建物の種類によって異なります。
特定防火対象物:1年に1回の報告が義務づけられています。
非特定防火対象物:3年に1回の報告が義務づけられています。
消防設備点検を進める前に、具体的な流れを把握しておきましょう。
建物の所有者や管理者が専門の点検業者に対して、消防設備の点検を正式に依頼します。依頼の際には、点検対象の建物の詳細情報、使用している消防設備の種類、前回の点検日などが必要となります。
消防設備点検では、建物内の消防設備が正常に機能するかどうかを確認します。この点検には、自動火災報知設備、スプリンクラー設備、消火器、非常用照明、避難器具など、さまざまな設備が含まれます。
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点検が完了した後、その結果を報告書にまとめ、建物を管轄する消防署または出張所に提出する必要があります。この報告書には、点検された設備の状態、発見された問題点、および必要な修繕などを含みます。
点検の結果、不備があった場合は、早期に改修しなければなりません。点検結果報告書に記載された問題点や不備を解消するため、具体的な改修計画を立てる必要があります。また改修後は再度点検を行い、設備が法令や安全基準に適合していることを確認することが重要です。
消防設備点検は火災発生時の被害を抑えるために非常に重要です。特定の建物では法定で定められた点検が必要とされており、適切な点検と報告が行われない場合、罰則が科されることもあります。点検の種類には機器点検や総合点検があり、設置されている消防設備の適切な維持管理のためにも年2回の点検を実施する必要があります。報告周期も建物の種類によって異なり、定期的な点検と報告が安全の確保には不可欠です。
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