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9月1日が”防災の日”ということをどれだけの人が知っているだろうか。そもそも防災の日とは一体何なのか。そしてこの絶好の機会に、”防災訓練”について触れてみたい。
まずは”防災の日”。1923年9月1日に発生し、10万人以上の死者・行方不明者を出した『関東大震災』に由来している。地震や火災、台風や津波等の災害についての意識を高め、それら災害に対する心構え、具体的な対応策の準備を広く促すため、1960年に制定されたものだ。
災害は油断した時に突如として襲いかかり、多くのものを一瞬にして奪い去っていく。そのような有事に直面したとき、どれだけの人が冷静に、そして正しい行動をとることができだろうか。被害を0にすることは難しいのかもしれない。しかし、日頃の準備次第ではその被害を”極小化できる”ということは確かである。
そのための取り組みとして、代表的な例を一つ挙げると”防災訓練”がそれに当たる。幼稚園や保育園でも実施されるため、小さい頃から馴染みのある方も多いだろう。学校、企業、自治体、様々な社会シーンで実施されているこの防災訓練。
しかし、果たして本当にその訓練内容でいざ本番を迎えられるだろうか。もっと言えば、訓練に費やす時間がないという理由から、義務があるにも関わらず防災訓練を実施していない、できていない企業等が数多くあるのが現状だ。
縁あってここにたどり着き、この記事を読んでいただいている皆さまには今一度、防災訓練の重要性・必要性をあらためて感じていただけると幸いである。
あなた自身、そしてその先にいる仲間やお客様の命、財産。これらを守るためにも、しっかりと”意味のある”防災訓練を企画し、実施していただきたい。
では一体どんな防災訓練を行えば良いのか。そんな疑問を解決すべく、ポイントをいくつかご紹介したい。
まず、防災訓練といえば一般的には『地震』と『火災』を想定した二つの訓練に分けられる。(両方を組み合わせた訓練を行うケースもある。)それぞれで対応は異なるものの、共通して当てはまる重要なポイントがある。
・有事の際の連絡体制が事前に取り決められていること
・有事に担う役割が概ね決まっていること(5つの係)
これらは訓練におけるポイントというよりその前段階の話になるが、日頃から事前にとり決めておくことで有事の際の活動に無駄がなくなり、被害の極小化に大きく貢献してくれるのだ。
少し想像してみてほしい。有事の際、統率力があり的確な指示を出せる圧倒的なリーダーが傍にいるだろうか。いることにこしたことはないが、いない場合はどうか。誰かの指示を待つ?とりあえず皆で火災現場に向かう?誰に連絡する?避難は?……そうこうしている間にも火災は着実に拡大していくのである。
本番でそのようにならないためにも、あらかじめ各々のやるべきことを把握しておけば、全体として無駄のない流動的な活動が行えるのだ。
自衛消防隊を組織する上での『5つの係』をご存知だろうか。係それぞれの名称は場所や地域によって異なるが、基本的には次のとおりとなる。
・通報係
非常放送設備等を使って建物内へのアナウンス(全体共有)を。
・連絡係
火災現場へ向かい通報係への連絡を行う。(地震の際は、避難誘導係や安全防護係として活動をする。)
・初期消火係
火災現場へ向かい初期消火を行う。(地震の際は、避難誘導係や安全防護係として活動をする。)
・避難誘導係
避難経路の目立つところで出口までの誘導を行う。(サービス業等では多数のお客様がいる場合もある。)
・安全防護係
避難経路に障害がないか、逃げ遅れている人がいないかを確認する。
このような5つの係の上に、隊長(全ての取り纏めと指示役)がいることが最も好ましい。企業で例えるとすると管理職が担うことになるだろうか。
小規模な事業所であればここまでしっかり決めておく必要はないが、数百人規模の大きな企業や団体であれば、フロア単位、もしくは部署単位でこのような組織を形成することで、連携や統率は取りやすくなるだろう。
しかし、それらを”決めておくだけ”ではほぼ効果はないのだ。防災訓練という機会で”実践”して初めて効果が表れるのだ。
その防災訓練の中身とは一体どんなものなのか。”地震”と”火災”とで分けて見てみよう。
緊急地震速報が伴うような大きな地震(震度5弱以上で発令)では、天井の崩落やその周辺から物が飛んできたりする恐れがあるため、机の下にもぐったり、両腕で後頭部をしっかりガードする等して”頭”を守り、低い安定した防護体勢をとることが求められる。サービス業であれば、前述のとおり多くのお客様が付近にいるケースが考えられるため、従業員は自身の安全を確保しつつ、お客様に対しても防護姿勢を促す必要がある。揺れが完全に収まるまでは、防護体勢を継続し、揺れが完全に収まったところで次の行動へ移る。
次に行うことは、けが人が発生していないかの確認だ。もし周囲にけが人がいた場合、程度にもよるが重症であれば搬送が必要となるケースもある。搬送に必要な担架は常備されている?どこにあるのかを把握できている人はどれだけいる?と、想定し得る最悪のシチュエーションの中で訓練を行うことで、様々な課題が浮き彫りとなる。
けが人の確認と同時進行で行うべきことが建物の損壊状況と避難経路の確認である。大地震ともなればもしかしたら避難経路が塞がってしまっている可能性もある。そのためにも、日頃から避難経路はいくつか把握しておき、有事の際に安全な経路を選択できるよう備えておこう。
そしてもう一つ。これらをしっかりと周りに共有することが重要である。建物内にいる全ての人へ共有するができる非常放送設備が備わっていれば活用すべきだが、備わっていない建物もある。その場合、どうしたら早く共有できるか、安全な避難経路で屋外へ導くことができるか。また、逃げ遅れている人がいないか、その確認はしっかりと行えているか。
こういった様々な視点を普段から持ち、考えておくことが重要だ。
まず、火災の発生を確認したら最初に行うべき重要なアクション。それは周りへ知らせることである。自動火災報知設備が作動していない状況であれば、大きな声で周りへ伝え、公設消防への通報と消火活動を開始する。
初期消火に最も適している消火設備はやはり身近な消火器であるが、近くに消火栓があれば消火栓ももちろん有効だ。しかし、消火器や消火栓などは使ったことがない人が大半を占めるのではないだろうか。
従業員が消火器や消火栓の使い方が分からなかったがためにうまく初期消火が行えず、そして情報共有が遅れたことから、ボヤ程度だった火災が建物を全焼させてしまう程の大きな火災に発展してしまった事例も数多くあり、そういったことが起きる度に、いかに日頃からの防災に対する訓練や教育が大切なことかを再認識させられる。
話が逸れてしまったが、消火活動において深追いは絶対にNGである。あくまで目安だが、炎が身長の高さを超えてしまったら消火活動を諦めて避難してほしい。命よりも大切なものはないのだ。
消火活動と並行して避難を行うこととなるが、地震と同様に、周りとの情報共有をしっかりと行い、火元からできるだけ離れた安全な経路を選択しなければならない。火災現場からの連絡手段は?携帯電話がなかったらどうする?非常用電話機の使い方はわかる?
地震も火災も、なるべく起きそうな状況と被害を想定し、その建物の規模・用途に見合った内容の防災訓練を実施することが非常に大切である。そして、防災訓練の最後に必ず行ってほしいことがある。
それは振り返りだ。その日の防災訓練をなるべく全員で振り返り、訓練の中で気づいた点や感じたことを共有し合い、その次の防災訓練に活かすのだ。仕事と同じように、PDCAのサイクルを回し続けることで、より強い自衛消防隊が出来上がっていくのである。
対応力を高めるための訓練用の消火装置や消火器。地震への備えとしてのヘルメット、搬送用の担架、備蓄品等の防災商品。さらには当社が実施しているHTCサービスといった火災リスクを無料で診断するサービス。防災訓練にこれらが合わさることでより盤石な災害対策に繋がるため、ぜひ気軽に初田製作所へご相談いただきたい。
少し長くなってしまったが、
防災訓練の大切さとポイントについて少しでもお伝えできたなら総合防災メーカーとして幸いである。
そして災害によって悲しむ人が一人でも減ることを強く願うと共に、その実現に向け、これからも初田製作所はその歩みを止めることはない。
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