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火災2024.12.18

蛍光灯の2027年問題とは?蛍光灯の交換が必要な理由や注意点についてわかりやすく解説します!

日本の照明業界や家庭にとって、2027年は重要な年になると予測されています。この年、蛍光灯の製造が終了する「2027年問題」が訪れるためです。LED照明が普及する中での自然な流れとも言えますが、長年親しまれてきた蛍光灯の終焉がもたらす影響について理解しておくことは非常に重要です。
本記事では、蛍光灯の2027年問題についての背景、影響、そして私たちが取るべき対策について詳しく解説します。

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なぜ蛍光灯は製造終了するのか?

蛍光灯の製造終了の背景には、環境規制の強化と技術進化が大きく関係しています。2010年代以降、世界的にエネルギー効率の向上や温室効果ガス排出削減が求められています。そのため、消費電力が少なく寿命の長いLED照明が注目され、蛍光灯の需要が減少してきました。

さらに、2023年11月に開催された「水銀に関する水俣条約第5回締約国会議(COP5)」にて、水銀添加製品である蛍光灯の製造・輸出入廃止が決定しました。この規制は日本にも影響を与え、メーカーが蛍光灯の製造を段階的に終了する方針を打ち出しています。蛍光灯の製造・輸出入の最終期限が2027年末 なのです。

2027年問題がもたらす影響

蛍光灯の製造終了は、私たちの生活や業界にさまざまな影響を与えます。以下に具体的な影響を挙げます。

在庫切れによる調達困難

2027年以降、新たに蛍光灯を購入することが難しくなります。既存の在庫が尽きれば交換が不可能になり、特に古い建物や設備で使用されている蛍光灯の照明器具に影響が出る可能性があります。
すでに多くのメーカーで製造終了・製造終了予定が発表されており、市場品の値上げや品切れが発生する恐れがあります。ただし、2027年末以降の製造・輸出入は廃止となりますが、在庫品については流通・販売、既存品の継続使用は可能です。

経済的な負担

蛍光灯からLED照明への移行には初期費用がかかります。LED照明はエネルギー効率が高く、長期的にはコスト削減に寄与しますが、器具の交換や設置費用が負担となる場合もあります。特に中小企業や公共施設では、予算の確保が課題になるかもしれません。

廃棄物処理の問題

蛍光灯には水銀が含まれているため、適切な処理が求められます。製造終了に伴い、廃棄される蛍光灯の量が増加することが予想されます。事業所で出た蛍光灯は「水銀使用製品産業廃棄物」として処理をする必要があり、廃棄時には蛍光灯を割らないように注意しながら、専用業者に正しく依頼をしましょう。

迫りくる蛍光灯製造終了への対策とは

2027年問題に備えるためには、事前の計画が重要です。具体的な対策案は以下となります。

早期のLED化を検討する

蛍光灯からLED照明への移行を早めに進めることをお勧めします。環境省のデータによると、蛍光灯からLED照明に更新した場合、エネルギー消費量・CO2排出量・エネルギーコストを年間で69%削減できるという結果が出ています。照明器具をすべて交換する場合、初期費用負担が大きくなってしまいますが、LEDは消費電力が少なく寿命も長いため、初期費用を上回るメリットが期待できます。

参考:環境省 LED照明器具の導入

専門業者への相談

大規模な施設や複雑な照明システムを持つ場合は、専門業者に相談して適切なLED製品を選び、効率的な導入計画を立てることが重要です。補助金制度を活用することで、コストを抑えることも可能です。

蛍光灯を交換する際の注意点

未警戒期間の発生

現在蛍光灯を使用しており、器具一式をLEDへ交換したい場合、工事が必要となる可能性があります。マンションの共用部・オフィス・工場などは工事必須の場合がほとんどです。交換個数が少ない場合は一日で工事が終わることもありますが、交換個数が多い場合、特に工場などの広大な敷地で一括器具交換をする場合は日数がかかる可能性があります。

特に注意いただきたいのは、「避難誘導灯」といった消防設備です。消防設備は、万が一の火災時に使用できないということがないよう、半年に一回の点検が義務付けられています。しかし点検時に蛍光灯を使用している避難誘導灯の不備が見つかり、急いで器具交換を検討したとしても未警戒期間が発生してしまいます。消防設備に関しては未警戒期間が発生しないよう特に注意いただき、計画的な交換を進める必要があります。

加えて、避難誘導灯や非常照明器具には「更新の目安となる期間」がございます。蛍光灯からLEDへ交換したからずっと安心というわけではなく、その後も定期的な点検・更新が必要です。初田製作所では「火災リスク簡易無料診断サービス」を通じて、避難誘導灯なども含めた火災リスクの洗い出しを行っております。また半年に一度の消防設備点検も行っておりますので、火災リスクや消防設備点検でお困りの方は、ぜひお問い合わせください。

高輝度蓄光製品の導入

LED化と並行して、高輝度蓄光製品の付加設置も検討されてはいかがでしょうか。高輝度蓄光製品とは、明るいうちに光を蓄えて、周囲が暗くなったら自ら発光するというものです。電源が不要、ランニングコストやメンテナンス費がかからない、通路や階段等の必要箇所に貼るだけなので、大変手軽に導入することが可能です。貼る箇所を自由にカスタマイズできるため、ワンランク上の避難対策を実施できることでしょう。

高輝度蓄光製品については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

事業所におけるワンランク上の避難対策とは? 避難を手助けする「蓄光製品」について解説!

まとめ

蛍光灯の2027年問題は、照明業界と私たちの生活にとって大きな転換期を迎える出来事です。蛍光灯がなくなることで困難が予想される一方、LED照明への移行は省エネやコスト削減という大きなメリットをもたらします。この問題に対応するためには、早期の準備と計画が不可欠です。2027年までに適切な対策を講じ、スムーズな移行を目指しましょう。

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