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病院における重要な検査機器としての代表格であるMRI(核磁気共鳴画像診断装置)。CTスキャンなどよく耳にする検査機器に対する火災対策と同様のものを考えれば良いかと言えば実はそうではない。今回はMRIに特化した火災対策について考えていきたいと思う。
MRI(核磁気共鳴画像診断装置)とは強力な磁石でできた筒の中に入り、磁気の力を利用して体の臓器や血管を撮影する検査装置である。特徴として、非常に高い精度で体を輪切りにした断層写真を撮影することができる。類似した装置でCTスキャンなどが挙げられるが、CTスキャンがX線により画像を得ることに対して、MRIでは強い磁力と電波(ラジオ波)によって画像を得ることができるため、X線による被ばくなど人体への影響もない安全な検査装置でもある。
当然のことながら、MRIの最大の特徴、それは機器周辺に『強力な磁場を形成していること』である。一方で検査機器全般は通常の電気機器(制御盤、電気ケーブル、コンセント部)の火災リスクが潜在しており、検査装置における火災事例も実際には発生している。しかしながら、MRI周辺の高磁場環境におけるリスクを十分に理解しておかないと実は安全な消火活動を行うことができない上に、使用者の人命に関わる事故にも繋がってしまう。
まずは法的安全対策として、MRIに対する消火器基準は存在しない。大抵の場合は病院の廊下に設置したABC粉末消火器をMRI室へ持ち込み消火活動に使用することとなる。しかし、一般的なABC粉末消火器は鉄製のものが多く、消火器本体が磁石にくっつくものであることを決して忘れないでほしい。次にそのリスクについて考える。
過去に某大学病院において廃棄予定のMRIを使用し、MRI室内における磁性を持つ(磁石にくっつく)金属製品の挙動を確認した実験がある。ボールペンは弾丸のような勢いで、パイプ椅子は重力を感じない勢いでMRI中心の磁石部分へ強力に吸い寄せられることが確認された。消火器も例外ではなく、MRI周辺では正確なレバー操作を行う前に、MRI中心へ飛ばされることが容易に想像できる。MRI室内における人の位置によっては、鉄の塊が飛んでくることで人身事故に繋がる恐れもあり、非常に危険性が高いとされている。
参考までに、上記のような人身事故を起こさないようにMRI室内にある医療機器(点滴スタンド、ストレッチャー)は磁性を帯びていないチタンなどでできており、金属成分を含む入れ墨を体に入れた人はMRI内の磁力により発熱を起こすことからMRI検査そのものが受診できないとされている。
それではMRIに対する火災対策はどのように考えればよいか。最も優先すべきは消火器使用者が「安全に操作できること」ではないだろうか。さらに高額のMRIに対して機器に対するダメージを極限まで減らすことができれば御の字かと思われる。世の中に普及しているABC粉末消火器に使用されている粉末消火薬剤は、消火能力と市場における流通性の高さから法定設置に選ばれることが多い。しかしながら、今回は強磁場環境であることと、装置が非常に高額であることから、万が一誤放射が発生したとしても、安全に消火でき、機器の損害を最小限に留めることが最適な消火器選定を行う上で重要ではないだろうか。
以上を踏まえ、当社が考えるMRIへの最適消火器をご紹介したい。
最適消火器:非磁性体二酸化炭素消火器スーパーアルマックス
最大の特徴:
金属部品は非磁性材料であるアルミニウムを使用しているため、強力な磁場環境周辺でも設置が可能であること。
二酸化炭素消火薬剤を使用することでABC消火薬剤のような微粉末の飛散がなく、使用後の汚損がないこと。
※本製品をご用命の際は「お問い合わせフォーム」よりご連絡くださいませ。
MRI室内への火災対策として実際に以下のようなご相談を頂いているので、代表的なものをご紹介したい。
いずれのお客様も火災を何とかしたい思いもさることながら、消火器使用者の安全性確保や消火器使用後の被害を最小限に留めたいという思いが強いと感じて頂けるのではないだろうか。
『強磁場環境に適した消火器があること自体を知らなかった。磁性を帯びない金属以外は持ち込みできないので消火器選定には苦労していたところだ。』
『MRI自体は数億円するような高額な検査機器のため、放射後に何も残さない二酸化炭素消火薬剤が最低条件になるが、まさか非磁性体タイプがあるとは知らなかった。』
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