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火災2024.07.17

電気火災を未然に防ぐための対策方法とは?発生の原因や起きた際の対処法も紹介!

電気火災は日常生活の中で思いがけず発生し、深刻な被害をもたらすことがあります。電気機器や配線の不具合が原因で起こる火災は、防げるケースが多いにもかかわらず、毎年多くの被害が報告されています。
当記事では、電気火災の発生状況や主な原因、そして効果的な対策方法、万が一火災が発生した場合の対処法について詳しく解説します。

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電気火災の発生状況

電気火災は、現代の生活において避けて通れないリスクの一つです。日本国内における電気火災の発生件数は、年々増加傾向にあります。消防庁の調べによれば、2021年には約1,400件の電気火災が報告されております。これらの火災は、主に電気機器の故障や配線の不具合が原因となっています。

特に冬季には暖房器具の使用が増えるため、電気火災の発生件数が急増する傾向があります。また、古い建物や配線が劣化している住宅では、火災のリスクがさらに高まります。これらのデータからもわかるように、電気火災は誰にでも起こりうる問題であり、日常的な注意と対策が必要です。

参考:表1 最近5年間の電気火災の状況|東京消防庁

電気火災の主な原因とは

電気火災は、さまざまな原因によって引き起こされることがあります。主な原因をいくつか挙げて詳しく説明します。

過電流

過電流は、電気回路に流れる電流が設計された許容量を超える状態を指します。これにより配線や電気機器が過熱し、火災の原因となることがあります。特に、古い配線や劣化した電気機器は過電流に対して脆弱です。

漏電

漏電は、電気が本来の回路から外れて他の導体に流れる現象です。これにより、火花が発生し、周囲の可燃物に引火することがあります。特に湿気の多い場所や配線が劣化している場合、発生しやすいです。

トラッキング

トラッキングとは、コンセントやプラグの表面にホコリや湿気が溜まり、電気が流れることで発生する現象です。これにより電気が短絡し、火花が飛び散ることで火災が発生することがあります。トラッキング防止には、定期的な清掃が効果的です。

接触部過熱

電気機器の接触部が緩んでいると、接触不良が発生し過熱することがあります。この過熱が進行すると、最終的には火災に至る可能性があります。接触部の定期的な点検とメンテナンスが重要です。

半断線

半断線とは、電線の一部が断線している状態を指します。この状態では、電流が一部の導体に集中し、過熱が発生しやすくなります。特に古い電線や物理的なダメージを受けた電線で発生しやすいです。

短絡

短絡とは、電気回路の異なる部分が直接接触し、電流が意図しない経路を通る現象です。配線の不備や劣化が原因となることが多く、これにより大量の電流が流れ、火花や加熱が発生し、火災に繋がります。

電気火災を未然に防ぐための対策方法とは

電気火災を防ぐためには、日常生活の中でいくつかの対策を実施することが重要です。

たこ足配線をなくす

たこ足配線は、複数の電気機器を一つのコンセントに接続することで、過負荷を引き起こしやすくなります。これにより、発熱や火災のリスクが高まります。できるだけたこ足配線を避け、電源タップを使用する際も、適切な容量を守ることが大切です。

コンセント周りの清掃をする

ホコリやゴミがコンセントやプラグに溜まると、これが原因でトラッキング現象が発生し、火災のリスクが高まります。特に湿気が多い場所ではホコリが湿気を吸収しやすく、さらに危険です。定期的にコンセント周りを清掃することで、これらのリスクを軽減することができます。

電気プラグはしっかり差し込む

電気プラグをしっかりと差し込むことは、電気火災を防ぐための基本的な対策の一つです。プラグが中途半端に差し込まれていると、接触不良が発生し、過熱やスパークの原因となります。これが火災の引き金となることがあるため、プラグを差し込む際には確実に奥まで差し込むようにしましょう。

コードを束ねない

束ねられたコードは熱がこもりやすくなり、過熱の原因となります。特に電力を多く消費する電気機器のコードを束ねると、発熱が増加し、火災の引き金となる可能性があります。
安全のためには、コードはできるだけ伸ばして使用し、束ねないように心がけましょう。

コードを傷めないようにする

コードを傷めないためには、コードを無理に曲げたり、引っ張ったりしないことが重要です。また、コードを保護するためのカバーやチューブを使用することも効果的です。これにより、コードが摩耗や圧力から守られ、長期間にわたって安全に使用することができます。

電気機器を正しく利用する

電気火災を防ぐためには、電気機器を正しく利用することが不可欠です。まず取扱説明書をよく読み、使用方法や注意点を理解してから使用しましょう。定格電圧や定格電流を守ることが重要です。

劣化しているコンセントがないか確認する

電気火災を未然に防ぐためには、劣化しているコンセントの確認が重要です。長期間使用されているコンセントは、内部の接触不良や絶縁劣化が進行している可能性があります。定期的にコンセントの外観をチェックし、焦げ跡や異臭がする場合はすぐに交換を検討しましょう。

火災対策について「企業が実施すべき火災対策とは?火災の原因と事前に備えるべき火災対策について解説!」の記事で詳しく解説しておりますので、あわせてご覧ください。

企業が実施すべき火災対策とは?火災の原因と事前に備えるべき火災対策について解説!

電気火災が起きた際の対処法とは

電気火災が発生した場合、迅速かつ適切な対処が求められます。

電気を遮断

電気火災が発生した際には、はじめに電気を遮断することが重要です。火災の原因が電気機器や配線にある場合、電気を遮断しないと火災が拡大する恐れがあります。具体的には、以下の手順を踏むことが推奨されます。

ブレーカーを落とす

火災が発生した部屋やエリアのブレーカーをすぐに落としましょう。これにより、電気の供給が停止し、火災の拡大を防ぐことができます。

電源プラグを抜く

火災の原因となっている電気機器の電源プラグを抜くことも有効です。ただし、火災が進行している場合は無理をせず、安全を最優先に行動してください。

安全な場所に避難する

電気を遮断した後は、速やかに安全な場所に避難し、次の対処法に移ることが大切です。

消火器または消火スプレーなどで消火

電気火災が発生した場合、初期消火が非常に重要です。まず、火災の規模が小さいうちに消火を試みることが求められます。消火器や消火スプレーは、電気火災に対して効果的な消火手段です。特に、電気火災用の消火器(粉末ABC消火器や二酸化炭素消火器など)を使用することが推奨されます。これらの消火器は、電気機器に対して安全に使用できるよう設計されています。

消火器の設置基準について「危険物施設の消火器設置基準について解説します」の記事で詳しく解説しておりますので、あわせてご覧ください。

危険物施設の消火器設置基準について解説します

消防(119番)に通報

火災が発生した際には、まず冷静に行動することが重要です。初期消火が難しい場合や、火の勢いが強くなってしまった場合には、すぐに消防(119番)に通報しましょう。通報時には、以下の情報を正確に伝えることが求められます。

①火災の発生場所:具体的な住所や目印となる建物などを伝えます。

②火災の状況:火の大きさや燃えているもの、煙の有無などを説明します。

③自分の名前と連絡先:通報者の名前と連絡先を伝え、必要な場合に消防隊が連絡を取れるようにします。

通報後は、可能な限り安全な場所に避難し、消防隊の到着を待ちましょう。火災現場に留まることは非常に危険ですので、無理をせず速やかに避難することが大切です。

火災リスクを事前に把握しておくために「火災リスク診断」を

電気火災を未然に防ぐためには、日常的な対策だけでなく、専門的な診断を受けることも重要です。初田製作所が提供する「火災リスク診断サービス」は、工場や倉庫等において、当記事でご紹介した電気火災の原因となる箇所もチェックし、潜在的な火災リスクを特定するためのサービスです。

このサービスでは、経験豊富な専門家が現地を訪問し、配線や電気機器の状態を調査します。診断結果に基づいて、具体的な改善策や対策のご提案、その後のアフターフォローと火災対策のパートナーとしてサポートします。また、定期的な診断を受けることで、長期的な火災リスクの低減にもつながります。

火災リスク診断サービスを利用することで、見落としがちな小さな異常や劣化を早期に発見し、適切な対策を講じることが可能です。電気火災のリスクを最小限に抑えるために、「火災リスク診断サービス」をぜひ活用してみてください。

まとめ

電気火災は日常生活の中で突然発生し、大きな被害をもたらす可能性があります。しかし適切な対策を講じることで、そのリスクを大幅に減少させることができます。電気火災の主な原因を理解し、過電流や漏電、トラッキングなどの危険性を認識することが重要です。そして、たこ足配線を避け、コンセント周りを清潔に保つなどの基本的な対策を実行することが求められます。

また電気火災が発生した際には、迅速に電気を遮断し、消火器や消火スプレーを使用して初期消火を行うことが重要です。さらに、消防(119番)への通報を忘れずに行い、専門家の指示に従って行動することが必要です。電気火災のリスクを軽減し、安全な生活環境を維持するために、日常的な点検と対策を怠らないようにしましょう。
防災・火災対策でお悩みでしたら、是非初田製作所へご相談ください。

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