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火災2025.09.02

【防火担当者必見】集塵機からまさかの火事!?集塵機火災の原因や対策方法を詳しく解説します

近年、工場や作業現場における集塵機からの火災事故が多発しており、企業にとって大きなリスクとなっています。本記事では、集塵機の仕組みから出火しやすい理由、最新の集塵機火災の事例や、具体的な予防策までを詳しく解説し、皆様の火災リスク低減活動の一助となることを目指します。

2025年現在における、直近の集塵機火災の事例

近年、数多くの集塵機火災の事例が報告されています。
2025年3月、愛知県にある工場にて集塵機から爆発があり、火災が発生しました。この火災では1名の従業員が亡くなり、2名の従業員がけがを負う事故となりました。また工場建屋にも被害が生じました。この集塵機火災の詳細は以下となります。

午前6時20分ごろに稼働を開始したところ、集塵機のダスト除去用のフィルターの目詰まり状況を計測する「差圧計」が異常値を示しました。定められた対応に従ってフィルターのエアー洗浄装置の動作確認などの作業中に、粉塵爆発が発生したとみられています。詳しい原因は現在も調査中です。

他にも、2025年5月に富山県の工場や、同年7月に山形県の工場などで同様に集塵機火災が発生しています。

一度集塵機火災が発生すると、人的被害、生産ラインの停止、その他機械設備への延焼など大きな被害へとつながる可能性があります。自社の設備として集塵機を導入している企業においては、他人事と思わず、対策を欠かさずに行うことが必要です。

集塵機とは? その仕組みを解説

集塵機とは、工場や作業現場で発生する粉塵や微粒子を吸い込み、清浄な空気を排出するための装置です。その種類や大きさは多岐にわたりますが、基本的には以下のような構成となっています。

・吸引口: 空気や粉塵などを吸い込み、粉塵を捕集フィルターへと送ります。
・ダクト:吸引した空気や粉塵の通り道です。
・フィルター:粉塵を捕捉する役割を担います。
・ダストボックス:捕集された粉塵を貯蔵します。
・排気口:清浄な空気を排出します。

集塵機からの出火が発生しやすい理由

集塵機は機能・構造上、火災事故を引き起こす可能性の高い設備といわれています。火災が発生しやすい要因は下記のとおりです。

1.静電気の発生と放電:粉塵がダクト内を高速で移動する際や、フィルターに衝突する際に静電気が発生しやすくなります。この静電気が蓄積され、ある一定量を超えると放電(スパーク)が発生し、粉塵に引火する危険性があります。特に冬場などの乾燥した環境下では静電気が発生しやすいため、特に注意が必要です。
2025年7月に山形県の工場で発生した集塵機火災では、集塵機フィルター表面に帯電した静電気が粉塵に引火した可能性が示唆されています。

2.異物の混入や火花の発生:作業中に金属片や石などの異物が集塵機内に吸い込まれることがあります。これらの異物が吸引ファンやダクト内部に接触し、摩擦によって火花や熱を発生させ、出火源となることがあります。

3.機器の異常や経年劣化などによる過熱:モーターの故障や機器の劣化、配線のショートなど、集塵機本体の異常により機器の一部が過熱し、周囲の粉塵に引火するケースも考えられます。またフィルターの目詰まりによる空気抵抗の増加も、モーターに過負荷をかけ過熱の原因となることがあります。

4.定期的なメンテナンスの不足:フィルターの交換を怠ったりダクト内の清掃を適切に行わなかったりすると、粉塵の堆積量が増加し、火災リスクが高まります。

集塵機火災への対策方法

集塵機からの出火リスクを低減するためには、日々の点検と適切な管理が不可欠です。特に以下の点に注意して確認しましょう。

・フィルターの状態:フィルターの目詰まりは吸引力の低下だけでなく、モーターへの負荷増加や静電気の発生リスクを高めます。定期的にフィルターの状態を確認し、適切な時期に交換しましょう。

・ダクト内部の清掃:ダクト内部に粉塵が堆積していないか確認し、定期的に清掃を行うことが重要です。特に分岐部や折れ曲がり部(コーナー部)などの粉塵が滞留しやすい箇所は注意が必要です。

・静電気対策:アース線の設置や除電器(イオナイザー)の搭載、湿式集塵機の導入など、静電気対策が適切に行われているか確認しましょう。

・集塵機全体の定期点検:異音や異常な振動がないか、機器に経年劣化が生じていないかを確認しましょう。集塵機本体の法定耐用年数は約10年と設定されていますが、実際の耐用年数はメーカーごとに定められています。この耐用年数をできる限り順守し、長期間使用している集塵機については計画的な改修工事を検討しましょう。

・火花検知・消火装置の設置:特に可燃性粉塵を扱う場合、火花を検知して自動的に消火する装置の導入も有効な対策となります。集塵機向けの自動消火装置として、初田製作所の『CABINEX(キャビネックス)』がおすすめです。次項にて詳しくご案内します。

集塵機火災対策には『CABINEX(キャビネックス)』がおすすめ

㈱初田製作所が提供している『CABINEX(キャビネックス)』とは、集塵機や旋盤などの工場設備に設置する自動消火装置です。火災が発生した際、通常消火器や消火栓などで消火を行います。しかしこれらの消火方法では、消火剤による周囲への汚損が発生してしまうことで、より被害額が大きくなりやすいです。そこで『スパークキャッチャー』で火花を検知し、『CABINEX(キャビネックス)』で機械内部をピンポイントで消火することができ、素早い警報と確実な消火が可能です。

【CABINEX(キャビネックス)の特長】
・半導体装置、旋盤などの工作機械、集塵機、工場排気ダクトなどさまざまな各種設備に設置可能
・最適な火災探知センサー:熱センサー・炎センサーをお使いいただけます。
・不活性ガス消火剤による窒息消火により、設備や加工物、周囲への汚損が最小限に抑えられます

火災リスク、見落としていませんか?

集塵機からの出火以外にも、さまざまな原因で火災は発生します。しかし“慣れ”や“固定観念”などにより、火災発生のリスクを見落としている可能性もございます。そこで、2014年から実施している火災リスク診断サービスの実施もおすすめします。この火災リスク診断では上記のような集塵機火災リスクも含めた、お客様固有のリスクを第三者目線で洗い出しすることができます。作業現場のリスク低減だけでなく、企業全体としてのBCP・防災意識向上などもバックアップします。

【火災リスク診断サービスの特長】
・第三者目線による、日頃気づかない火災発生リスクの「見える化」
・従業員の皆様と様々なリスク情報を共有でき、防災意識のボトムアップを支援
・防災のプロによる診断と安全対策のご提案
・1,500件を超える診断実績(大手メーカー様にもご活用いただいております!)

国家資格である「消防設備士」や、社内資格として定めている「認定診断員」を取得した防災のプロが現地へ訪問し、上記のような火災リスク箇所を1つ1つ洗い出します。消防設備点検とは目的が異なり、火災発生リスク診断サービスは火災を起こさないという「火災予防」に重きを置いています。ぜひ一度火災リスク診断を受けてみてはいかがでしょうか。ご相談やお問い合わせはこちら

まとめ

集塵機火災は一度発生すると大きな火災に発展しやすいですが、適切な対策を行うことで出火リスクを低減できます。他にも、初田製作所が提供している総合防災ソリューションの一環である自動消火装置の導入や、第三者による火災リスク診断で潜在的な危険を特定することで、より安全な作業環境を構築することが可能です。火災は他人事、対岸の火事だと思うことなく、日々の対策を行いましょう。

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