店舗の火災リスクをどう防ぐ?バンコクのバー火災事例に学ぶ「電気系統」と「避難経路」の盲点

2026年7月、タイの首都バンコクの人気エリアにあるバー「ロン・ビア・ナ・ラップラオ」で、少なくとも30人が死亡、重体24人を含む70人以上が負傷するという非常に痛ましい火災事故が発生しました。

この事故からは、店舗運営者にとって決して他人事ではない「火災リスク」が数多く浮かび上がっています。

本記事では、このバンコクのバー火災事例を分析し、店舗における「電気系統ショート」のリスクと「避難経路」の確保について解説します。

    1. バンコクのバー火災の被害拡大に繋がった「3つの原因」

    バンコクの減災当局等による初期調査や目撃者の証言から、今回の火災が大惨事へと発展した背景には、主に3つの原因が見受けられます。

    電気機器からの出火

    詳しい原因は明らかになっていませんが、ステージ付近の分電盤でショートが起こり、爆発とともに火災が発生したとみられています。

    ● 電気火災では感電を防ぐため水による初期消火が難しい

    ● 配線等を伝って急速に延焼する

    ● 配線やボックスを焼くことによる有害な煙の発生

    有毒な煙の発生

    焼け跡の状況から、内装品に延焼したことで有毒な黒煙が発生したとみられています。

    ● 煙を吸い込むことによる中毒症状

    ● 視界不良

    避難の遅れ

    非常口のひとつが厨房を抜けた先にあったこと、障害物があった可能性などから、外に出られない客が多く取り残されました。

    ● 急速に広がる煙による視界不良

    ● パニック状態で避難経路、非常口が探せない

     本火災では電気機器のショートが原因とみられています。

    どのような原理で火災につながっているのでしょうか

    2. なぜ起こる?電気機器からの出火が店舗で多発する原因

    電気を使用する機会が年々増加する中、火につながる印象が薄く、電気火災も増加傾向にあります。

    消防庁の「令和7年(1月~12 月)における火災の概要(概数)について」によると、令和7年に発生した建物火災 22,345 件のうち、「電気機器」は2,541 件(11.4%)と、コンロに次いで2番目に多い出火原因となっています。

    ● 清掃の行き届かないコンセントでのトラッキング現象

    ● タコ足配線による容量オーバー、半断線によるショート、束ねたコードの放熱不良など、コードの不適切な使用

    そして、店舗ならではの環境が、こうした電気系統のトラブルにつながっています。

    ● 特にレジ周辺や展示エリアなど、電気機器が集中することによるタコ足配線

    ●大きな棚など動かせないものの裏にある清掃の難しいコンセント

    ● 荷物や台車によるコードの半断線

    ●看板や冷蔵庫など、連続使用されている機器のコードの劣化

    特にコンセント周りでは、あまり目につかない場所で発火する可能性が高く、気づいた時には初期消火が難しいところまで火が広がっていることもあります。

    3. 人命を守るために不可欠な「店舗の火災対策」3原則

    コンセント周辺の「徹底清掃と点検」

    ● 冷蔵庫やエアコンなど、常時稼働する高出力機器のプラグを定期的に抜き、埃を掃除する

    ● コードが折れ曲がっていたり、家具の下敷きになっていないか確認する。

    可燃物の撤去と防炎の対策

    ● 設備や商品などやむを得ない物を除いて、不必要な可燃物を放置しない。

    ● 防炎カーテンなどを活用し、燃え広げない環境を作る。

    ③ 防炎カーテンなどを活用し、燃え広げない環境を作る

    ● 仮置きであっても、非常口の前や避難通路に物を置かない。

    ● 従業員に避難経路を周知する。

    消防法や建築基準法において定められた基準だけでなく、日常の店舗運用やスタッフの意識啓発を含めた、現場レベルでの実効性のある自主防災対策を継続することが重要です。

    4. 消防点検だけで本当に安心ですか?初田製作所の「火災リスク診断」

    多くの店舗オーナー様は、「法定点検をやっているから大丈夫」と考えがちです。 しかし、一般的な法定点検は「規定の消防設備が設置され、正常に動作するか」の適合検査にすぎません。

    火災のリスクを低減し、被害をなくすためには、「その店舗固有の危険性」まで深く踏み込んで検討する必要があります。

    そこでご紹介するのが、創業125年を迎えた総合防災メーカー・初田製作所による「火災リスク診断」です。

    消防設備メーカーとしてのノウハウを生かし、火災の予防から避難、消火、教育に関することまで、総合的にお客さまに必要なサポート体制を提供いたします。

    まとめ:悲劇を未然に防ぐため、まずは「リスクの棚卸し」から

    不特定多数のお客さまが出入りする飲食店や店舗において、火災は大きな課題です。万が一発生すれば、尊い命が失われるだけでなく、企業の社会的信用や事業継続性にも致命的な打撃を与えます。

    「自社の店舗に潜む火災リスクを知りたい」「安全な避難環境が作れているか心配」など、防災に関してのお悩み事は、ぜひ一度ご相談ください。

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