防災設備のお問い合わせはこちら

火災2025.02.14

防火設備定期検査とは?義務・制度について解説!

防火設備定期検査は、建物の防火安全を確保するために欠かせない取り組みです。本記事では、防火設備定期点検の概要や義務、対象となる設備、さらには点検の重要性について詳しく解説します。加えて、第三者診断を活用するメリットやリスク低減のための具体的な方法についても触れていきます。

SHARE

  • twittertwitter
  • facebookfacebook

防火設備定期検査とは

防火設備定期点検とは、建物に設置された防火設備が適切に機能する状態にあるかを確認するための点検です。この点検では、火災発生時における人命の安全確保や財産保護を目的として、防火シャッターや防火扉などの防火設備が正常に作動するかを確認します。
不特定多数の者等が利用する建築物など、安全性の確保により注意が必要な建築物等については法令により定期調査・検査の対象とされました。検査対象の建物所有者は専門資格者にその対象設備の作動状況について検査をさせ、その結果を特定行政庁(地方自治体)に報告することが義務付けられています。(建築基準法第12条第3項)また、調査・検査結果を報告すると、報告済証が発行されます。

防火設備定期検査が義務化された経緯

防火設備定期点検が義務化された背景には、2013年に発生した重大な火災事故があります。被害が拡大した原因のひとつに、防火設備が正常に動作しなかったこと等が指摘されています。これにより、建築基準の見直しや定期的に点検を行うことで火災による被害を低減する必要性が高まりました。特に、多数の人が利用する施設や避難が困難な人が集まる施設では、点検の重要性が強調されました。2016年に建築基準法の定期報告制度が強化されました。これまで特定建築物等の定期調査として行われていた特定の項目を、「防火設備定期検査報告」で詳細に報告することとなりました。

防火設備定期検査を実施する意義

防火設備定期点検を実施することには以下の意義があります。

  1. 火災時の被害最小化

    • 設備の不備や劣化を早期に発見し、延焼を防止する防火区画の形成を確実なものとします。
  2. 安全な避難環境の確保

    • 火災発生時に迅速かつ安全に避難できるよう、設備の正常作動を確認します。
  3. 建物利用者の安心感向上

    • 定期点検により防火対策が適切に行われていることを示し、利用者に安心感を与えます。
  4. 法令順守

    • 建築基準法や関係法令に従った適切な運用を行い、法的リスクを回避します。

 

防火設備定期点検を実施するのに必要な資格

防火設備定期点検を行うには、専門知識を有する資格者に調査・検査をさせ、る必要があります。消防設備点検の資格者とは別に、防火設備点検の検査資格者として「防火設備検査員」という資格が設立されています。

  • 防火設備検査員

    • 防火設備(防火扉・防火シャッターなど)が適切に機能するかを検査する専門資格です。国土交通大臣指定の講習(3日間)を修了する必要があります。講習には受講資格(対象となる学科の修了や実務経験)が必要です。
  • 一級・二級建築士:

    • 建築全般の設計・監理の資格ですが、防火設備検査においても資格要件を満たし、構造や防火性能の観点から検査を実施できることとなっています。

建築物の所有者(所有者と管理者が異なる場合は管理者)が資格保持者に検査をさせ、特定行政庁への報告をおこなう必要があります。運用や窓口が自治体により異なりますので、各自で確認する必要があります。

 

対象となる防火設備

防火設備定期検査報告の対象は、火災時に熱や煙を感知して閉鎖したり作動したりする防火設備(防火扉・防火シャッター・耐火クロススクリーン・ドレンチャー等)です。対象かどうか判断に迷う場合は、特定行政庁へご相談ください。防火設備定期検査では以下のような項目が確認されます。

  1. 防火扉

    • 閉鎖の障害となる物品の放置の状況、扉の劣化及び損傷等の状況
    • 感知の状況
    • 連動制御、自動閉鎖、危害防止装置の作動状況
  2. 防火シャッター

    • 閉鎖の障害となる物品の放置の状況、シャッターの劣化及び損傷等の状況
    • 感知の状況
    • 連動制御、自動閉鎖、危害防止装置の作動状況
  3. 耐火クロススクリーン

    • 閉鎖の障害となる物品の放置の状況、カーテン部の劣化及び損傷等の状況
    • 感知の状況
    • 連動制御、自動閉鎖、危害防止装置の作動状況
  4. ドレンチャー等

    • 作動の障害となる物品の放置の状況
    • 散水ヘッド・水源・加圧送水装置等の状況
    • 感知の状況
    • 連動制御、自動作動・手動作動等の設置状況

これらの点検項目を網羅的にチェックすることで、火災時の被害拡大を防ぎます。

報告について

特定行政庁に対して年1回の報告が必要となります。

第三者による診断の活用

建築基準法によって防火設備検査の報告義務があるのは、不特定多数の方が使用する建築物となります。建物の種類によっては他の点検が必要となる場合もあります。

消防設備点検とは?点検が必要な建物や点検の種類、流れについて解説!

防火対象物点検とは?意義や重要性について解説します!

法令遵守はもちろんですが、建物所有者・所有者の方は、管理権原者として防火管理に関する根源的な義務・責任を負っています。事業所の用途・規模によっては、防火管理者を選任し、消防計画の作成・届出が必要となってきます。必要に応じて、消防用設備や避難又は防火上必要な設備の維持管理も必要となります。対策に迷われた場合は、第三者機関や専門業者による診断を活用することが効果的です。

当社では主に工場や倉庫等を対象とした火災リスク診断サービスを提供しています。防火設備定期点検とは異なり、法的な義務に基づくものではありませんが、あくまで自主的な取り組みとして、施設や設備の火災リスクを洗い出し、防火対策を見直すことを目的としています。以下のポイントに重点を置いて診断を行っています。

  • ・客観的な視点外部専門家が建物や設備の状況を客観的に評価します。
  • ・火災リスクの洗い出し診断結果を詳細に報告し、改善提案を明示します。
  • ・リスク低減のアドバイス火災リスクを最小限に抑えるための具体的なアクションプランを提供します。

 

詳細は以下のページをご覧ください。

※場合により診断をお受けできないこともございます。まずはご相談ください。

まとめ

防火設備定期検査は、人命や財産を守るために欠かせない取り組みです。不特定多数の方が使用する建築物等が対象となっています。対象建築物に指定されたことを確認したら、まずはご相談ください。これらの検査義務がない事業所においても、火災リスクを低減させたい、リスクを見える化したいとお考えの方は当社が提供する火災リスク診断についてもご検討ください。

この記事をシェア

  • facebook
  • twitter

CONTACT身の回りの防災対策
防災のプロ
任せてみませんか?

ボーサイナビットでは、あらゆる場所のリスクに対して当社の持つノウハウから
ベストな解決策をご提案します。ぜひともお気軽にご相談ください。